ご挨拶


 これまで動脈硬化を評価する非侵襲的検査法が数多く臨床に導入されてきました。本研究会は動脈硬化を粥状硬化病変の形成や進展といった病理形態的視点から研究するのではなく、新しい原理に基づく手法による血管の硬さ指標ASI(Arterial Stiffness Index)を用い動脈硬化の病態解明、診断、治療、予防などにアプローチすることをテーマとしている研究会であり、基礎医学者および臨床医を始めとした幅広い方々より構成されています。ASIは他の指標に比較して新しい指標であるためその基礎的研究や臨床分野で新たな様々な知見が集積されつつあります。基礎的分野では生理的な環境をはじめ各種異常環境がASIという指標に及ぼす影響、また他の検査法による動脈硬化の指標との関連性などについての研究が行われています。それと同時に臨床の専門分野では糖尿病、高血圧、高脂血症を始めとした動脈硬化の危険因子を基盤に発症する動脈硬化に対するASIの評価および研究が積極的に行われております。その他、動脈硬化に介在している数多くの疾患についても研究の対象として取り組んでいます。
 本研究会では、学術集会等による研究成果の発表や最新情報の提供、教育活動、および予防医学を始めとするASIの幅広い分野への応用の思考、そしてそれらの社会への還元等の活動に積極的に取り組んでいます。また、動脈硬化の防止に向けた取り組みに出来るだけ幅広い方々にご参加いただくためにホームページの開設による情報発信等を始めとする新たな企画を進めております。
 動脈硬化は、先進諸国はもとより急速な近代化が進められている発展途上国においても生活習慣病等に関わる疾患として、重大な問題となり、それに伴いASIの重要性も増していくものと思われます。本研究会では他国の研究機関とも情報共有等の協力体制を整え、今後は国際的な活動を推進していく予定であります。
 このように日本AS学会は皆様の積極的な研究会へのご参加とご協力を得まして、今後におきましても質および活動を高い水準に維持できますように努力してまいります。

 

日本AS学会


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